税務調査とは、納税者が正しく申告をしているか確認するための調査です。
法人税や所得税は「申告納税制度」が採用されています。
申告納税制度では、納税者が自分の税金を計算して申告と納税をおこなうため、ミスが発生したり、意図的に税額を少なくする人もいます。
ミスや不正がないか確認するために、税務調査はおこなわれます。しかし、経営者は会計や税務のプロではないため、税務調査官からの質問に上手に答えられない可能性があります。
また、税務調査官の主張に同意するしかなく、不利な調査結果を受け入れてしまうケースもあります。
税務のプロである税務調査官と対等に渡り合うために、税理士を立ち会わせることが大切です。

税務調査に税理士が立ち会うと、スムーズに調査が終わり、調査官からの質問にも対応してくれます。
ここでは、税務調査に税理士が立ち会うメリットを紹介します。・事前準備が万端になる
税務調査を実施する際は、事前に日程を伝えられて、帳簿などの準備をしておきます。
税理士に言われた通りに書類を揃えておけば、調査がスムーズに進み、予定通り終了するでしょう。
税務調査では、各種帳簿や経費の資料・売上の資料・契約書など、さまざまな書類の準備が必要です。
漏れがあると調査中に資料を探す必要があるため、時間をロスしてしまいます。
その結果、調査の日程が延びることもあるため注意してください。

また、税理士は帳簿を見れば、調査官から指摘されそうな問題を把握可能です。
事前に問題が分かれば、受け答えの対策を立てられます。
上手に答えられると、問題ないと判断されて追徴課税の対象とならない可能性が高まります。

・税務調査がスムーズに進む
調査官の意見と折り合いがつかず、話し合いが長引くケースもあります。
税理士が専門的な観点から意見を伝えれば、長引くことなく話し合いが終わるケースもあります。
少なくとも、調査官の一方的な意見を聞く必要がなくなり、調査を受ける人にとって有利に働くでしょう。

・税務調査終了後の対応をしてくれる
税務調査が終了してから、指摘された部分を認める場合は、修正申告書の作成・提出をおこないます。
追徴課税が多額になり、手持ちの資金で支払えない場合は、分納の交渉も可能です。

このように、税務調査に税理士が立ち会うメリットは複数あります。
しかし、税理士に依頼をすると費用がかかるため、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
税務調査に立ち会うための費用は、税理士事務所ごとに異なりますが、一般的には以下の通りです。

◆日当：5万円前後
◆事前準備：3万円前後
◆修正申告：10万円前後

税理士に税務調査への立ち合いを依頼する相場は20万円前後です。
税理士と顧問契約を結んでいたとしても、税務調査は別料金となっているケースが多いため、報酬の支払いが必要です。
報酬は税理士ごとに異なるため、事前に見積りを依頼するといいでしょう。

税務調査に税理士が立ち会うと、事前準備が万端になり、調査がスムーズに終了する可能性が高まります。
また、税務調査後の修正申告や、追徴課税の納付方法についても対応してくれます。
税法の知識を持っていないと、調査官の主張に反論できず、言われた通りの納税することになります。
税理士が立ち会っていれば、法的観点からの主張をしてくれるため、調査中の強い味方になるでしょう。
税務調査への立ち合い費用は、20万円前後が相場です。
調査官の主張に対して上手に反論できれば、報酬以上に支払う税金が減る可能性もあります。
税務調査の連絡が来たら、まずは税理士に相談してみましょう。